カテゴリー「3. 本の紹介」の19件の記事

2008年4月25日 (金)

『30歳からの営業力の鍛え方』

以前、勤務していたヘルスケア企業で、営業課長向けに「営業プロセスモニタリング研修」を企画したとき、講師としてお呼びした先生の本を紹介します。

『30歳からの営業力の鍛え方』(かんき出版) 和田一男

この研修は「営業のプロ」としての和田講師の熱い想いが伝わってきて、たいへん好評でした。この著書は、営業パーソンが自分のキャリアを考える上で、有益だと思います。

「第1部 キャリアプランニング編」では、営業マンのキャリア設計についての考え方を示した上で、営業としてキャリアアップするために、必要な能力は何かをまとめてあります。

鍛えるべき能力とは、①行動力、②新規開拓力、③企画立案力、④プレゼンテーション力、⑤信頼構築力、⑥リーダーシップの6つです。いずれも当たり前のようですが、営業経験がある人が読むと、改めて気づくことも多いと思います。

「第2部 スキルアップ編」は、営業力を強化するための5つのポイントです。

  1. 効率的に活動量を増やす
  2. 強化すべき顧客を明確にする
  3. 顧客ニーズを把握する
  4. 提案力を高める
  5. 課題解決力を高める

「第3部 行動習慣編」は、「できる営業マンの行動習慣10カ条」です。

  1. 結果を出すためのプロセスをわかりやすく語る
  2. 常に140%達成を目指す
  3. まず「誰に売るか」を考える
  4. お客様を感動させる信頼関係を築く
  5. 売り込まずに主導権を握って結論を迫る
  6. 論理的かつ感情を大切にする販売スキルをもつ
  7. コミュニケーション力、対人力が高い
  8. 考える時間の”量と質”が違う
  9. 人間力を磨いている
  10. 信念を持ってリーダーシップを発揮している

貴方はいくつマルがつけられますか?

いずれもオーソドックスな内容なので、業界を問わず「営業の基本」として、営業に関わる方の参考になると思います。

2008年4月19日 (土)

『ドキュメント 医療危機』

次は、新聞記者の書いた医療問題の本を紹介します。

『ドキュメント 医療危機』(朝日新聞社) 田辺功

この本は、朝日新聞朝刊に2007年4月から連載された「ドキュメント 医療危機」がベースになっています。著者の田辺氏は、朝日新聞社編集委員で、長年、医療問題を担当されている記者とのことで、多くの課題が多面的に抽出されています。

一つの項目ごとに一つのブログが書けるくらい、多くのテーマがありますので、ここでは課題を列挙して、簡単なコメントを書くだけに留めます。

・日本は医師の絶対数が不足: OECD加盟国で日本の医師数は最低レベル。医師の労働時間は最高に長い。医師および医療従事者の労働条件の悪さが医療事故の遠因。医師の高齢化も進んでおり、医学部定員の増員は不可欠。

・医療事故に警察が介入する危険: 医療行為の結果である死亡に対し、警察が介入して医師を逮捕する事例があった(06年の福島県立大野病院の産婦人科の例)。これが一般的になると、訴訟・逮捕されるリスクの高い産婦人科や外科は誰もやりたがらない。また、リスクのある手術はできなくなる。新しい医薬や医療機器は使用できなくなる。

・病理解剖の少なさ: 他の先進国と比べ、日本では病理解剖は極端に少ない。96年のWHO調査では、スウェーデンが全死者の37%、カナダ20%、米国12%、ドイツ8%に対し、日本は22か国中最下位の4%。解剖により死因の究明や治療プロセスの質向上を図れる。ベストセラーになった『チーム・バチスタの栄光』でも取り上げられたテーマですが、病理医の数の少なさは、医療の質を支える上で問題。

・医療不信をあおるマスコミの報道: テレビ、雑誌、新聞の医療事故に関する報道が、すぐに医師の医療ミスと断定するかのようなトーンになり、医療不信をあおる。マスメディアの勉強不足と一過性の大衆迎合主義が問題。

・わがままな患者: インターネットなどを通じて医療に関する情報が入手しやすくなったのは良いことであるが、最近は、すぐに医療ミスを疑う患者・家族が増え、医師は余計な労力を割かれている。わがままな患者や、ひどい場合には暴力をふるう患者、医師や看護師に暴言を吐く患者も増えている。

・腎移植などの先進的な医療へのリスク: 日本では臓器移植についてのガイドラインが明確に作られていない。学会は大学教授が中心なので、臨床経験が少なく、医療の現場での患者の切実なニーズが理解されていない。従って、先進的な医療行為については医師個人がリスクを負わざるを得ないため、日本では多くの先進的な医療で遅れている。

・医療機器の認可の遅さ・価格の高さ: 日本は医療機器の認可が遅く、欧米と比べ、2-3世代前の古いタイプが使われていることが多い。審査機関の人数、スキルとも不足している。いろいろな意味でコストが高くなる市場構造であるため、価格が高くなる。

最後に、田辺氏はこの本の中で、日本の医療を改革するための「8項目の提言」を挙げている。

  1. 「医療の質管理機構」および「医療事故補償機構」の創設
  2. 先端医療技術の早期導入のため、許認可制度を抜本的改善
  3. 患者の要望、医師の責任による混合診療を導入
  4. 診療所は外来の初期医療に限り、一定条件を満たさない場合には、診療所の開設は認めない
  5. 小規模な国公立病院は統廃合し、大規模なセンター病院に
  6. 民間病院の機能分化
  7. 能力に応じた特級医師、1級医師を創設
  8. 病院以外の「健院」での健康維持

特に私は、2(許認可制度の改善)、3(混合診療導入)、7(医師のグレード分け)、8(予防医療の重視)については、大いに賛成です。

いずれも重要テーマなので、このブログでも取り上げたいと思います。

2008年4月18日 (金)

『貧乏人は医者にかかるな!』

また医療崩壊に関する本の感想です。

『貧乏人は医者にかかるな! 医師不足が招く医療崩壊』(集英社新書) 永田宏

著者の永田氏は、オリンパス光学、タケダライフサイエンス・リサーチセンターなどの民間企業で医療情報研究に従事された方で、現在は鈴鹿医療科学大学教授です。この本は、医療問題を「医師の絶対数の不足」という視点から考察されています。

「医師不足」の問題については、私自身、この本を読むまでは認識不足でした。次のような点は、私にとって新鮮でした。

  1. 本格的に医師不足が現場で問題になったのは、2000年前後。この頃から、特に小児科や産婦人科で、激務に耐えかねて病院を去る医師が出始めた。
  2. 厚生労働省の調査(1986年)では、「2025年には医師の1割が過剰になる。医学部の定員を削減すべき」との結論。当時は、日本医師会をはじめとする医学会の反発も大きくなかった。むしろ開業医は、既得権益を守れるため、医師数削減を歓迎する声が多かった。
  3. 日本の医師数は、OECD加盟国の中で、最下位レベル。人口1000人当たりの診療医師数が、OECD平均2.9人に対して、日本は2.0人。フランス、ドイツ、スペインなどは3人以上、日本より少ないのは、韓国、メキシコ、トルコのみ。
  4. アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスの医療の現状との比較においても、高度な現代の医療を実施するには、日本では医師・看護師の絶対数が不足している。
  5. 特に、地方の病院や公立病院は、諸条件が悪いため、優秀な医師・看護師は集まらない。

以下は、私の感想・コメントです。

1について: 2000年頃から、マスコミで医療事故の報道が多くなり、安全管理に関する患者への説明や院内での事務作業が増加したこと、病院がコスト意識を持ち始めたこと、インターネットの普及で患者の声が大きくなってきたことなどが一因なのでしょう。若手医師や女性医師が働きやすい環境の整備も遅れているようです。いずれにしても、この10年足らずの間に、医療現場で急激な変化が起こっているため、私を含め、非医療従事者は、医師数不足に対する認識が足りないようです

2について: 私が1980年代に大学に入学した頃は、確かに「医者は余る時代がくる」と言われていました。私が医学部に進まなかった理由の1つでもあります。1986年の厚生労働省調査から、わずか15年程度で、全く逆の状況になっているというのは、ひどい話です。医師の中でも、勤務医と開業医の間で、意見統一ができないことが、さまざまな面で医療問題の解決を難しくしていますね。

3について: 各国の制度に違いはありますが、日本の医師数が先進国の中で最低というのは、確かなのでしょう。この数字には高齢の医師や研究医もカウントされているので、実態は2.0名よりもっと少ないということが論理的に述べられており、説得力があります。

一方、英国は1980年代に医療費を削減しすぎて医師不足になり、患者が手術を受けるのに半年待ちといった状況になったため、医師数を増やしているそうです。私は1990年代前半に英国に住んでいたことがありますが、確かにその頃の英国人は、「イギリスの医療制度はひどいんだ」「風邪をひいたくらいでは、病院には行かない(行けない)」となげいていました。

4について: この本によると、日本の病院の医師・看護士などの数は、戦後すぐの1948(昭和23)年の国立病院を基準に決められたそうです。まだ結核が不治の病気だった頃です。当時はまだ医薬も医療機器もあまり高度なものがなかったので、やれる治療も限られていたはずです。その頃に決めた基準をいまだに踏襲しているのでは、高度な医療を行うためのマンパワーが不足するのは当然だと思います。

5について: 昨年、東北地方で開催されたある学会の会場で、「東京大学附属病院」や「慈恵医大病院」が大々的に看護師の募集をしていました。それを見た東北地方の医師が、「東大や慈恵から高給で誘われたら、若い女性(看護師)は誰でもあこがれて東京へ行ってしまう」となげいておられました。

また、私がヘルスケア企業に勤務していたとき、中部地方の名門国立病院の30歳代の内科医から、「東京のメーカーで働くにはどうしたらよいでしょうか」と相談を受けたこともあります。地方病院の医療現場の状況は、非常に良くないようです。

結論として、今の医療制度の延長では、「医師数の不足により、患者が適切な医療を受けられなくなる」という事態になることは避けられないようです。そうならないためにどうすべきか、国(政治家、厚生労働省)、医学界、経済界で真剣に議論していただきたいものです。

2008年4月 8日 (火)

『医療崩壊 医師の主張』

日本医師会会長の唐澤氏の最新刊(3月30日発行)です。

『医療崩壊 医師の主張』(毎日新聞社) 唐澤祥人

日本医師会の主張としてこれまでにいろいろなところで発表された意見を、唐澤会長が個人的に総括されたものです。タイトルは、「医師の主張」というより、「開業医がマジョリティを占める、日本医師会の主張」という方が適切だと思いました。

いずれにしても、日本国の医療のあるべき将来像を考える上で、「日本医師会が何を主張しているか」を理解することは避けて通れないところなので、一読の価値はあります。(当然、立場や考え方によって、賛否の議論が百出するところではありますが。)

以下に私の感想を述べますが、私の立場は、ヘルスケア企業と経営コンサルタントの経験から、「医薬・医療機器・診断薬のサプライヤーの視点、および、一人の日本国民としての視点」となります。

最初に、日本医師会の主張について、私が「その通りだ」「ある程度同意する」と感じた点を挙げます。

  • 多くの医療従事者は、与えられた条件、限られたリソース(要員、費用、時間)の中で、献身的に仕事をしている。
  • 近年、医療に対する安全管理リスクや訴訟リスクが増大しすぎるあまり、医師が新しい医療に対し慎重になりすぎたり、委縮してしまう面がある。
  • この点については、日本のマスメディアが医療に対する勉強不足の上、感情的に、病院や医師を一方的に悪者にしすぎる良くない傾向が一因である。
  • 日本の対GDP比総医療費は8.0%(2003年)で、米国15.2%、ドイツ10.8%、フランス10.4%などと比べて低すぎる。もっと総医療費を増額すべきである。
  • これからは地域のかかりつけ医が重要。

一方、私が「この点は同意しない」「これでは多くの国民の理解は得られないのではないか」と感じた点は、以下の通りです。

  • 医師の仕事は近年著しく多忙になっているということを繰り返し主張されているが、医療に限らず、例えば20年前と比べて、ラクになっているという仕事は、今の日本にはほとんど存在しない。

→ なぜなら、日本経済の成長が鈍化し、社会が成熟してくると、あらゆる業界で競争が激化するため。グローバル競争がほとんど無く、IT化の影響もまだ少ない医療業界は、その点ではマシな方です。医療においては、まだまだ業務プロセスの効率化、低コスト化、患者サービスの向上などに努力する余地があると思います。

  • 医師の給与は安すぎるという主張をされているが、日本の医師の平均的な給与レベルは高いはずです。

→ 米国でもドイツでも、競争を勝ち抜いた優秀な医師は高い給与を得られますが、平均的な勤務医・開業医は日本より低いはずです。例えば、私がよく知っている外資系ヘルスケア企業のドイツでは、多くのメディカルドクターが勤務しています。彼らが病院ではなくメーカー企業に勤務する理由の1つは、病院の給与はヘルスケアメーカーより安いからです。

ある37歳位のドイツ人内科医と話したところ、「彼が勤めていた公立病院だと年収800万円で夜勤や休日出勤もあるが、メーカーの医療学術担当では年収900万円で平日勤務のみなので、メーカーの方がよい」との話でした。

  • 医師は国の財政再建の被害者であるといった主張で一貫していますが、もう少し、医師の側も長期的な視野に立った改善努力をすべきだと思います。

→ この本に書かれていない点として、私が織り込んでほしいと思っているのは、例えば「医師免許の更新制度の導入」「最新技術への定期的なアクセスの義務化」「セカンドオピニオンの推進」「チーム医療制の導入」「人材のグローバルな流動化」「先進的な医療や安全管理についてのマスメディアへの説明の強化」などがあります。これらについては、このブログの中で、適宜、触れていきたいと思います。

いずれにしても、最初に触れたように、「多くの医師・医療従事者は一生懸命、頑張っている」「総医療費を増額しないと、努力しようにもできない」ことは理解した上での、私のコメントです。誤解なきよう、お願いします。

2008年4月 5日 (土)

『勝間式 利益の方程式』

勝間和代さんの6冊目、最新刊です。

4月3日午後に神田の三省堂本店に行ったら、勝間本コーナーに平積みされてありました。一気に読みましたが、またベストセラー間違いなしでしょう。

『勝間式 利益の方程式』(東洋経済) 勝間和代

素人にも分かり易く「利益の取り方」について説明している本は、確かにご本人がこの中でも書いているように、「これまでにありそうで、無かったコンセプト」ですね。

私は経営コンサルの経験者なので、書かれている内容自体は、コンサルの収益性改善のケースワークでよく議論されることなので、すんなり読めました。

勝間さんの才能だと思うのは、これを一般の方向けに分かり易いフレームワークと事例で、説明しきっているところです。基本に忠実でありながら、新しいマーケティングの考え方を盛り込んで、独自性を出されています。ちょっとしたコンサル経験者であれば、似たようなことは理解しているはずですが、これまでにそれを一般向けの本として、これほど上手に表現できた人はいなかったということで、それが彼女のエライところです。

私は専門領域がヘルスケアや化学企業なので、収益性改善として接する事例が、化学企業の工場の生産性だったり、製薬企業のMRの営業活動の効率化だったりするため、携帯電話、本、レストランなどの消費財のコスト構造の考え方(特に顧客当たり獲得コスト)については、大切なポイントを再認識できました。

いずれにしてもこの本は、比較的若いビジネスパーソンで、これまでに利益や収益性について考えたことがなかった方への入門書として、お勧めです。

2008年4月 3日 (木)

『勝間和代のインディペンデントな生き方』

ようやく勝間さんの5冊目の本、通称『新インディ』の感想です。

『勝間和代のインディペンデントな生き方 実践ガイド』(ディスカヴァー) 勝間和代

期待通りの内容でした。

私自身は男性ですが、ちょうど男女雇用機会均等法の最初の世代で、社会に出た時から優秀な女性たちと同僚・友人として接してきたことや、外資系経営コンサルティング企業では女性の先輩・後輩も多かったことなどから、意欲のある女性が働き続けることを応援していきたいと思っています。

また、私の妻も、子供を保育園に預けながら、某外資系企業でフルタイムで働いているワーキングマザー(WM)です。私も、子供の登園やそうじ・洗濯など、それなりに家事を分担しています。家内の働く外資系企業は、日本企業と比べると、ずっとWMにとっての条件が整っていますが、それでも更なる改善のための努力をしています。この点に関しては、多くの日本企業がグローバル企業に学ぶところが多そうです。

さて、勝間さんの本では、「インディの3条件」として、①年収600万円以上を稼げること、②自慢できるパートナーがいること、③年をとるほどすてきになっていくこと、を挙げています。確かにこの3条件は、私が今まで出会った「仕事ができる女性」に共通で、若い世代の女性が目指す目標として適切だと思います。

また、英語ができると年収が1.5倍になるというのも、男女を問わず、経験的に正しいと思います。私が知っているコンサル企業や外資系ヘルスケア企業では、TOEIC860点レベルが求められる仕事に対する対価は、全く英語を必要としない日本企業での同様の仕事と比較すると、50%増だと思います。このように、みんなが経験的に感じていることを、分析して分かり易く表現するのが、勝間さんの強みで、見習いたいところです。

この本には、やる気のある女性にとってのヒントが満載されていますので、自分の妻をはじめとして、職場の同僚や後輩の女性たちに、機会ある毎に勧めていきたいと思います。

2008年4月 2日 (水)

『年収10倍アップ時間投資法』

勝間和代さんの本の紹介、4冊目です。

『無理なく続けられる年収10倍アップ時間投資法』(ディスカヴァー) 勝間和代

この本は、特に一般企業の内勤部門(マーケティングや企画など、机に座ってPCを使って仕事をすることが多い)のビジネスパーソン全員に読んでもらいたい内容です。

私も以前、普通の会社から、単位時間当たり生産性の高いコンサルティング会社に移ったとき、この本に書かれているようなことを感じ、できるだけ実践するようにしているつもりです。

例えば、次のような点を参考にすべきだと思います。

  • 時間投資マトリックスで、空費の時間、浪費の時間を減らし、投資の時間を意識して大きくする。
  • 自分の自給を意識する。もし自分がやるべきでない場合には、思い切ってやらない、プロのサービスに頼む、などの代替案を考える。
  • 目標を設定して、効果を測定する。(TOEICの勉強では、私も勝間さんと似たようなアプローチをして成功しました)

と言っても、私もまだまだ勝間さんのレベルには、遠く及びません。日々の継続的な努力が必要です。

『年収10倍アップ勉強法』

勝間和代さんの本の紹介の3冊目です。

『無理なく続けられる年収10倍アップ勉強法』(ディスカヴァー) 勝間和代

2007年4月に発行され、最初に大ヒットした勝間さんの本です。

「なぜ勉強するのか?→勉強は幸せになるための先行投資」という基本コンセプトが明解です。自分の経験から言っても、勝間さんの「勉強の基本的なコツや考え方」については、同意する点が多いです。多くのビジネスパーソンの参考になると思います。

私が特に興味をもって、今後、取り入れてみようと思ったのは、次の3点です。

・フォトリーディングの効用: 速読との違いを知って、フォトリーディングに興味をもちました。(でも、ラーニングソリューション社のセミナーを申し込もうとしたところ、数か月待ちでした。皆さん、考えることは一緒ですね。)

・無線LANの活用: 自宅では有線の光通信で満足していたのですが、外出先を含め、もっと無線LANを使うべきですね。

・MP3とオーディオブックの利用: 自分の英語のブラッシュアップのツールとして、聴いてみようと思います。

『効率が10倍アップする新・知的生産術』

この本は、勝間さんの真骨頂ですね。

『効率が10倍アップする新・知的生産術』(ダイヤモンド社) 勝間和代

私は自分も経営戦略コンサルの経験がありますので、その仕事のハードさはよく理解しています。3人の娘さんを育てながらマッキンゼーで5年も働くというのは、それだけでも尊敬に値します。

この本では、その勝間さんが実践してきた知的生産性向上のポイントが惜しげもなく公開されていて、非常に参考になりました。次のようなことを、私も実行してみようと思いました。

  • インプットについては、TVや新聞のマスメディア情報を減らし、実体験、他者体験、良書を3大情報源とする。
  • 質の高い情報交換のためには、「Giveの5乗の法則」で、自分が持つベストの情報をできるだけ公開する。
  • アウトプットについては、自分の学びをブログに統合して表現してみる。

という訳で、このブログを立ち上げてみました。このブログを中心に考え続けていきたい自分のテーマは、次の5つです。

  1. 日本の化学企業・ヘルスケア企業のグローバル競争力の強化
  2. 日本の医療の質の向上(特に患者の視点で)
  3. 予防医療の普及(予防的医薬、健康診断、自己測定など)
  4. 外資系企業のマネジメント
  5. 環境との共生を考えた企業経営

書きたいことはたくさんあるので、まずはこのブログでの情報発信を習慣化していきたいと思います。

2008年4月 1日 (火)

『お金は銀行に預けるな』

2月末に初めて勝間和代さんの表題の本を読んで以来、一気に5冊を読んでファンになりました。読んだ順番に、このブログで感想を書きます。

『お金は銀行に預けるな』(光文社新書) 勝間和代

「金融リテラシーの基本と実践」というサブタイトルの通り、金融の基礎知識があまり無い人向けの入門書として、分かり易い内容です。

勝間さんの強みは、会計士と証券アナリストという金融のプロであるだけでなく、マッキンゼー(経営コンサルティング)の経験があるため、「細かいことを捨てて、本質を大づかみする」のが上手な点だと思います。金融系の人の書いたものは、どうしても詳細にこだわり、素人にはわかりにくい傾向がありますので、この本が売れる意味がよくわかりました。

私は金融のプロではありませんが、投資信託や債券を多少買っているので、p159の「投資の基本5原則」を改めて実践していこうと思います。

第1原則:分散投資、分散投資、分散投資

第2原則:年間リターンの目安としては、5%で上出来

第3原則:タダ飯はない

第4原則:投資にはコストと時間が必要

第5原則:管理できるのはリスクのみ、リターンは管理できない

また、最後に「金融を通じた社会責任の遂行」の章で、SRI(Socially Responsible Investment)ファンドや、金融の生涯教育について触れているのも、好感をもちました。私も企業のCSRや子供の金融教育は、今後、ますます重要になっていくと考えます。

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